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私は電力会社の建設や補修・改装を専門とした設計業務に10年以上関わってきました。その中で様々な設計をしてきましたが、10年たったある時自分の見識を広げたくなり世界に飛び出そうと日本を出国しました。
〝タイ・ベトナム・マレーシア・シンガポール〟などのアジア諸国を中心に様々な国に旅をしました。
その中で様々な物を見たり感じたりして自分の見識が広がると同時に日本の住宅や設備の良さを強く実感しました。
この経験から、日本に戻ったら住宅設計の仕事をしようという気持ちが強くなっていきました。ただ、自分にしかできないような仕事がしたいという気持ちもあったので、戸建て住宅の設計ではなく賃貸住宅の設計業務に目を向けることにいたしました。
帰国し、仕事を始める前に日本人が持つ建物に対しての意識をしっかり考えてみる事にしました。すると、「賃貸に比べて注文住宅の方が意識的価値が高く、賃貸は人々の意識的価値が低い」ということが日本人の意識の中にある事がわかりました。しかし、賃貸にもしっかりと需要が有るという事も事実・・。
私が海外で得た経験と見識を生かしもっと個性的でお客様が「ここで生活したい!」と思えるような賃貸をつくることですでに入居されている人にも、これから利用したいと考えている人にも”わくわく”するような生活をご提供できるのではないかと考えました。
同時に、自分が手掛けた物件は完成してからも長くお手伝いをしていきたいと考えていたので、たくさんのお客様をお手伝いするよりも、1人の大家さんの複数の物件をお手伝いするほうが性にあっていたという点もこの仕事を始めた理由として挙げられます。
ただ、調べていくうちに賃貸物件を保有している大家さんの中には空室で悩んでいらっしゃる方が多くいることを知り、新しく賃貸住宅を建築するのではなく、今あるものを生かした賃貸住宅のデザイン業務を始める決意をいたしました。
リノベーションとは老朽化した物件を〝修復〟するのではなく〝より良く〟改修する事です。元の物件を直して綺麗にするのではなく、元の物件が持っていた良さなどを残しつつ改修していくのです。
物件とは時間の経過と共に劣化もしていきますが、同時に風合いなどの「味」も出てきます。この「味」は新築の物件には決して出す事が出来ないものです。さらにキズ等の劣化した箇所も、綺麗に修繕して見えなくしてしまうよりも、綺麗に補修はするがわざとキズを残したりなど「元の物件が持つ良さをより良くしていく」事がリノベーションの強みです。
もちろん私が行うリノベーションも物件の良さを最大限に引き出すようにデザインしています。
リノベーションだからこそ感じられるのが「違和感」。
えっ!?賃貸なのに、土間があるの?
えっ!?賃貸なのにこんなにも開放感があるの?
コンクリートの建物なのに、室内はまるで木造みたい!
は古さを感じるけれど、玄関を開けるとまるで別世界に来たみたい!
新築には出来ない、中古物件の再生だから感じられる違和感。
これこそが現在ご入居されている方や、レトロ・デザインでリノベーションしてくださっている大家さんに選ばれ続けている理由なのではないかと考えています。
今後もこの仕事を通して、ご入居者様にも空室で悩んでいる大家さんにも「HAPPY」をご提供できるような仕事ができたらと思っています。